ものづくりスクエアー

ものづくり大好きな人のために送る「困った」時の私のノウハウと、私が購入したもののリアルな感想などの雑記ブログです

【機械設計】見えないコストを抑える方法について

こんにちは、ボビーです。

皆さんはきっと日々コストダウンを頭に入れながら設計をされていることでしょう。
でも、ちょっと待ってください!
コストダウン出来るものには見えるコストと見えないコストがあります。

 

 

見えるコストと見えないコスト

設計者にとって、見えるコストと見えないコストがあります。

見えるコストは主に部品図に関わるコストになります。
例えば、その部品をもっと安く出来る方法がないか、部品を減らせないか等、部品図を見て考えることができるコストです。
部品図に関わるコストのノウハウは、みなさんも先輩や上司から指導されたこともあるかもしれませんし、解説している書籍やwebページもあるかも知れません。

(済みません。実際にあるかどうか探していません)
そこで今回は、設計から組立までを経験しないと中々分からない、見えないコストについてお話します。

見えないコストとは?

通常のものづくりでは、
設計→部品の注文→部品の加工→受入検査→組立→調整→最終チェック→出荷
といった工程を経てお客様へ商品を届けることになります。

会社によっては全ての工程に工数をつけて管理されている所もあるでしょうが、通常は部品の価格と組立の価格、運送費を管理コストとされている所が大半と思います。

それはともかく、設計者ができる、見えないコストを下げるにはどんなポイントがあるのでしょうか?
それは組立時に掛かる不要なコストを削減することです。
具体的に見ていきましょう。

見えないコストを削減する具体例

(1)ねじの形状・サイズを出来るだけ統一して組立工数を下げる。
組立に使う工具の種類を絞って、組立者が工具を持ち替える回数が減れば、組立時間=工数が減ります。
例えば、1つの装置でねじサイズが M4、M5、M6と三種類あるのなら、それをM4とM6の2種類にするのです。
もし全ての装置でM5を完全に無くせたら、M5ネジへの工具の持ち替えを無くせるだけでなく、M5ネジの管理コストも0にできます
同じ事がネジの種類についても言えます。
同じM6のネジでも、六角穴付ボルト(キャップボルト)と六角ボルトでは、六角レンチとスパナというふうに工具が違います。

ラチェットやエアツールを使っていてもソケットの交換が必要です。
もちろん、必要なネジ強度は計算して下さい。例えばM5で問題の無い事を確認した上でM6にしてください。


(2)組立者に後戻りをさせない。
設計者が自分の作業を楽にしたいために、ほとんど対称形なのに1箇所だけ対称でない穴が合った場合、それを組立者が気付くことは難しいです。
その場合、組立が先まで進んでからようやく間違いに気付くものもあります。
その場合、またバラして該当部品をひっくり返してつけ直すことになります。
この時間のロスはきっと組立費に追加されているでしょう。
組立図に注意書きをすればいいのでは?という意見も聞こえてきそうですが、それでは解決できません。
1箇所のネジの位置で部品の向きを区別させるなんて大変です。

部品図を見て寸法を計算してようやくわかります。
組立をしているのに部品図を見る事自体、これもタイムロスです
この手のケースはちょっと設計者が考えて、完全に対称形にすることで解決できるのです。

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穴を追加して部品を対称形にする


部品図を見ないと組立出来ない設計は、設計者の怠慢以外の何者でもありません。
穴位置だけの場合なら、穴の少ない側に不要でも穴を追加して対称形にすることも出来ます。
一通りの設計が終わったら、部品図を見て組立することを自分で想像してください。
たとえ組立経験がなくても出来る事です。
それぞれの部品を取付する時に、部品の方向を迷いませんか?
迷うなら駄目です。形状を見直しましょう。
迷わないならOKです。


(3)組立精度の確認方法・基準を決める
これも知らず知らずにコストアップする要因です。
ベテランの組立者は組立図を見ると、どこがポイントでどの程度の組立誤差まで許されるのか経験上、おおよそわかります。
それはあくまで過去にきっちりとした組立をしたことがあるから自分の身に付いているのです。
それを知らずにベテランの組立者で問題が無かった装置が、ベテランの組立者が退職した途端、クレーム連発というケースですがあります。
設計者は装置の重要箇所については、最初から何を使って何を測定し、どの数値まで許容範囲とするか、組立図や組立指示書に明記することが必要です。
その基準が無いと
・組立者は心配になり、時間を掛けて過剰品質のものを作る
・組立者が重要なことをわからず品質を満たさないものを作る
のどちらかになる可能性が高くなります。
例えば、直進ガイド(リニアガイド)の組立を考えて見ましょう。
メーカーのカタログにも評価方法と許容範囲が明記されていることがほとんどです。
・何を使って? →ダイヤルゲージ
・何を測る? →ガイドのナットをレール上でストロークさせた時の上下の触れ量の最大値
・いくらまでが許容範囲? →触れ量0.1mmまでOK


また、この様に重要な組立箇所については、自分の初めての設計なら最低でも組立・評価に立ち会って下さい
可能なら自分で組立・評価をしてみて下さい
一度経験すると覚えますし、覚えると、組立の不具合の見極めが出来る様になり、あなたの活躍の場が広がります。


今回は、設計者の見えないコストである、組み立てを意識した設計についてお伝えしました。

では、また!

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